英石油大手BPは地球を汚す化石燃料依存からの脱却を計画しているが、今まさに石油とガスが生み出している多額の利益を見逃そうとはしていない。この緊張状態が同社の最新の変化の裏にある。ロンドン株式市場上場の同社は7日、2022年に277億ドル(約3兆6300億円)の利益を出したと発表した。これは前年の倍以上の数字だ。米エクソンモービル・米シェブロン・英シェルに続き、歴史的な通期業績を報告した石油大手となった。巨額の収益は、BPが環境への配慮を打ち出す野心的な計画を開始して3年に満たないこのタイミングで、方針を変えようとしている理由かもしれない。BPは石油・ガス生産量を2030年までに40%削減(2019年水準比)する予定だったが、同社はこれを変更し、現在は25%削減するとしている。BPが炭化水素燃料事業の縮小を急ぎすぎているとの懸念は、最近の同社の株価にのしかかっていた。同社がクリーンエネルギー転換のスピードを弱めるとの知らせで、同社株は7日前場に前日比6%上昇、終値は8.35%高で引けた。