『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ 初出:2021年2月21日)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
データ分析のおすすめ本は?
新しい仕事のために役立ちそうな本を探しています。データ分析の仕事をすることになりました。様々な企業の事務仕事(経理、人事、総務など。BPO業務)の生産性の改善策をデータを元に立案するような仕事です。製造現場の数値管理に近いと言われています。
業務担当者に勉強しておいた方が良いことをお聞きしたところ、Excel、Access、そのデータの紐づけ、PowerPoint、Tableauとお答えいただきました。当然、それらはすぐに勉強するつもりなのですが、データの見方や考え方は業務だけで身につけるのは難しい、または大変時間がかかるだろうと考えます。
私自身は、さわりの部分だけですが、計量経済学、統計学、Pythonなどを勉強したことがあります。しかし、社会人経験はかなり短いですし、障害者枠(発達障害)での就労になります。プレゼンテーションも苦手です。
まず手を付けるべきところは、仕事の基本、ツールの使い方や報告書・パワポの形式などだろうと思いますが、データの分析についても早くから手を付けておきたいと思っています。面談で、「一つの課題に対して一週間程度分析するのは大丈夫か」と質問されましたので、仕事に占める割合としては大きいだろうと思います。
今の自分に適切な本はありますでしょうか。
また、事務部門の生産性改善を目的とするデータ分析を学べる本、または、それに類似するような本はないでしょうか。お答えいただける余力とお暇があれば、よろしくお願いいたします。
ハーバート・サイモン『経営行動』は一生使えます
【読書猿の回答】
簡単すぎるかもしれませんが、新書から3冊挙げてみます。
『データサイエンス入門』(岩波新書)
『会社を変える分析の力』(講談社現代新書)
『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(光文社新書)
あとデータ分析からは離れますが、『職場の問題地図』シリーズ(技術評論社)と少し難しいですが一生使えるリソースとしてハーバート・サイモン『経営行動』をどうぞ。
(その他)
『効率化30%を実現する ホワイトカラーの業務改善』
『実践非製造部門の業務改善』
『「見える化」で管理・間接部門まるごと大改革』