1990年代に投資家が非常に好んだのは「適温」のゴルディロックス経済だ。童話の主人公ゴルディロックスが食べるおかゆのように、熱すぎず冷たすぎもしなかった。投資家にとって喜ばしいことに、そのゴルディロックスがここにきて復活しているようだ。賃上げ圧力を高める完全雇用の状態であるにもかかわらずだ。もしかしたら、米連邦準備制度理事会(FRB)の判断が全くの的外れで、年内利下げと底堅い経済を織り込む投資家の判断が正しいのかもしれない。賃金の伸びは緩やかになっており、インフレも鈍化している。とはいえ、ソフトランディング(軟着陸)を期待して市場が先走っていると懸念する向きは、少なくとも前提を見直す必要がある。