米国防総省は、自国の領空を飛行する偵察目的とみられる中国の気球を監視するため、冷戦初期に初めて設計された航空機を利用した。「ドラゴンレディ」が愛称のU2偵察機は、北米上空を1週間にわたり飛行した気球を追跡。同機は高度約7万フィート(約2万1300メートル)以上での飛行が可能だ。知られている他の米空軍機では到達不可能な高度だ。国防総省はU2を何度も退役させようとしたが、約70年にわたりなお現役で活躍している。B52爆撃機と同様、新しいエンジンやセンサー、その他の技術によってその寿命は延びてきた。空軍は1974年に国家偵察局からU2を引き継いだ。今月に入り、31機あるU2のうち2機が高度6万~6万5000フィートの間を飛行する気球を追跡したと空軍は発表した。これは、U2の後継機と目されていたドローン(無人機)が飛行可能な高度よりも高い。より高く、より高速な飛行が可能だった偵察機SR71ブラックバードは1999年に退役した。