旧ソ連構成国モルドバの親欧米政権を率いてきたナタリア・ガブリリツァ首相が10日、辞任した。同国ではロシアによる隣国ウクライナへの侵攻で経済的影響が深刻化している。前日には、ロシアがモルドバの不安定化を狙っていると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が警鐘を鳴らしていた。ガブリリツァ氏は首都キシナウで記者会見し、ウクライナ侵攻が始まってから政府が直面してきた苦境は想像を絶するものだったと話した。ロシアが天然ガスの供給を抑えたことなどで物価上昇率は昨年12月に30%に達し、街頭では抗議運動が起きた。ロシアがウクライナの電力網を攻撃した影響で、モルドバはたびたび停電に見舞われた。難民が大量に流入し、公共サービスが圧迫された。
親欧米モルドバ政権の首相辞任 ウクライナ侵攻の余波
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