中国の高高度気球プログラムは最初こそ控え目だったが、やがて空気よりも軽いデータ収集装置を飛行させる現代的な計画に発展し、今では米軍を動揺させるまでになった。中国の科学者たちは40年前、ドイツや日本の文献を読みあさり、ノートに計算を走り書きし、新聞紙の切り抜きをつなぎ合わせ、宇宙との境目まで飛べるかもしれない研究用気球を設計した。中国科学院の研究チームは、試作機が完成すると「中秋節」に実験を行うことにした。ランタンを空に向けて飛ばす伝統があるためだ。新華社通信の記事(中国科学院がその後再公開した)によると、観光用の小型熱気球くらいの大きさで、ある種の高エネルギー粒子を検出する装置を載せており、目標だった成層圏への突入を果たした。