元国税専門官は見た!確定申告で「追徴課税」を食らいがちな凡ミス5選写真はイメージです Photo:PIXTA

確定申告には多くの人がやりがちなミスがある。控除や保険、納税手続きなど、ちょっとした勘違いがきっかけで追徴税を課されるケースが後を絶たない。そのような事態を防ぐためにも、よくある勘違いポイントを知っておくことが大切だ。(元国税専門官 小林義崇)

毎年繰り返される確定申告のミス

 筆者が東京国税局の職員として勤務していた頃、毎年1月から3月頃は確定申告の相談対応や申告書のチェックなどを行っていました。そこで誤りを見つけた場合、本人に連絡を取り、申告のやり直しを求めることになります。

 税務署が申告誤りを指摘するのは、税務調査が入るような特殊なケースばかりではありません。単なる勘違いや計算間違いなど、いわゆる“凡ミス”がかなり多いのです。

 確定申告に関するミスは、ある程度の勤務経験のある国税職員なら「またか」と思うくらいパターン化しています。そうした事例を国税庁はホームページで「誤りの多い事例」として公表するなど注意喚起を行っていますが、ミスがなくなることはありません。

 確定申告の内容などに誤りがあると、後から不足する税金を納めることになります。さらに、場合によっては加算税や延滞税という追徴税が課せられます。還付金をもらうつもりで確定申告をしたのに、結局は納税を求められることもあり得るのです。

 そのような事態を防ぐため、今回の記事では、筆者が税務署の現場でよく遭遇したミスの事例や現実的な対処法をご紹介したいと思います。