米国本土の上空に中国の高高度気球が現れたことで、中国の起業家や大学と人民解放軍の相互作用にあらためて光が当てられている。それぞれの強みの融合こそが偵察気球プログラムの基礎になっていると米政府は指摘する。米政府は今月、偵察用とみられる中国の気球が数十カ国および複数の大陸の上空を飛行していると主張した。4日には米軍機がサウスカロライナ州沖でその一つを撃墜し、海軍のダイバーが大西洋で装置の一部を回収した。この出来事は、悪化した二国間関係をリセットしようとする米中の取り組みを複雑にしている。米商務省は先週、人民解放軍が行っている気球と飛行船の偵察プログラムに関与しているとして、中国の企業6社を貿易ブラックリストに追加した。中国は民間企業の活動を軍とより密接に結びつけようと試みているとの考えがこの背景にあるようだ。