セレブCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏には、自身のトンネル掘削会社(ボーリングカンパニー)の名前を除けば退屈なものは何もない(訳注:ボーリングには「退屈な」という意味もある)。彼のツイッター買収劇が良い例だ。買収するのか、しないのか。拡大するのか、縮小するのか。改善するのか、破壊するのか。経営するのか、去るのか。マスク氏のアプローチが最終的に成功するかどうかはまだ分からない。しかし一歩下がって考えてみると、偉大な企業を再生して経営することが目的であるならば、「退屈」であることはしばしば良いことだと私は主張したい。カメラを避け、ドラマを最小限に抑えたCEOは、貴重なリーダーシップの教訓を与えてくれる。私の念頭にある経営者は必ずしも内気で引っ込み思案なわけではないが、著名な企業を率いているにもかかわらず有名人でない場合が多い。彼らのライフスタイルが雑誌の紙面をにぎわすことはない。あらゆる社会的な問題について発言するわけでもなく、発言はバランスが取れていて慎重なものだ。私が特に尊敬するCEOとして彼らの名前を挙げると、退屈で堅苦しい人たちだと言われることがある。しかし、彼らは会社を成功させるためにいくつかのことを行っている。
「退屈なCEO」のすすめ
自分ではなく製品にスポットライトを当てるリーダーから得られる教訓とは
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