――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  大企業はリストラを相次ぎ発表し、住宅価格と株価は不安定な展開が続く。インフレ高止まりが家計を直撃しており、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げをなお継続している。米国民が「R」で始まる言葉を折に触れて耳にするのも無理はない。だが、それは間違った「R」だ。  米経済は依然としてリセッション(景気後退)を回避する可能性があるが、すでに「リッチセッション(富裕層を中心とする景気後退)」には突入している。これは景気先行きが不透明な中で、富裕層への打撃が一段と大きい状況を指す。