米経済は景気後退(リセッション)とは程遠い状態にあるようだ。投資家は、それが最終的に市場にとって悪いニュースになるのではないかと懸念し始めている。市場はこの数カ月間の大半にわたり、米連邦準備制度理事会(FRB)が「ソフトランディング(軟着陸)」に成功し、米経済が深刻な不況を免れるというシナリオを実現すると期待していた。米経済の底力が証明され、インフレ鈍化の兆しも見られたことで、株式などのリスク資産と債券は年明けから上昇し始めた。だが、ここにきて強い経済指標の発表が相次いだことから、「ノーランディング(無着陸)」になるとの見方を強めた投資家もいる。先週発表された1月の米消費者物価指数(CPI)と米卸売物価指数(PPI)の上昇率は、いずれもエコノミスト予想を上回った。1月の米小売売上高は伸びが約2年ぶりの大きさとなった。