ウクライナ軍に徴兵されたばかりの夫からメッセージの返信が来なくなっても、テチアナ・ディチコさんは心配しないようにした。電気技師の夫でユーリー・シネラブさん(38)は前線では携帯電話がつながらないかもしれないと言っていた。前線に派遣されたのは昨年末のことだ。「全てが順調であることを願っています」。12月28日、ディチコさんは夫にこうメッセージを送った。返信はなかった。その2日後、再びメッセージを送った。「じっとしていられない」1月4日、軍からの電話で、シネラブさんが行方不明になっていることを知らされた。ウクライナ政府が所在をつかめない兵士はシネラブさんを含め数千人に上り、家族は行方不明という受け入れがたい現実に直面している。