2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

子どもは「感情をコントロールできない大人」を、大人と認めないらしい

 今、子育てをしている人が、暴力的に怒鳴って、怒って、イライラして声を荒げていると、子どもは、「親と同じような」人間になるようです。

「私が正しいことを言っているのに、子どもは言うことをきかない。正しいことを言っているのだから、声を荒げていい」と考える親もいますが、私は子どもが言うことを聞かないことよりも、「親が声を荒げていること」のほうがずっと問題だと思います。

 宇宙には、「正しいことを言っているのだから、声を荒げていい」「親の言うことを子どもが聞かなければ、怒ってもよい」という法則はないようです。

 宇宙には、

「親のことを好きな子どもは、親の言うことを聞く。親のことを嫌いな子どもは、親の言うことを聞かない」

 という法則があるだけのようです。

 では、どうして子どもが親を嫌うのかというと、親が「感情をコントロールできないから」です。

 子どもは、「感情的な親」を嫌う傾向があります。子どもは、「自分の感情をコントロールできない大人を、大人とは認めない」のです。

「大人」という言葉の語源は、「音なし」からきたという説があります。どんなことがあっても声を荒げず、大声を出さない人を「大人」と呼ぶようになりました。「大人しい」という形容詞も、語源は同じだそうです。

 英語に「gentleman(ジェントルマン)」という言葉がありますが、「gentle(ジェントル)」は「静かな」「物静かな」という意味です。つまり、「gentleman」とは「声を荒げない物静かな人」のことであり、日本語の「大人」と同じ意味です。

「大人」である以上、何があっても、怒ってはいけない。怒鳴ってはいけない。殴ってはいけない。言いたいことがあるのだったら、穏やかに、にこやかに言う。

 言うことを聞いてくれなくてもかまいません。子どもとの関係は、「言うことを聞かせること」ではなくて、「穏やかに、にこやかに言う」というのがよいようです。

「お母さんがいないときに雨が降ってきたら、洗濯物を取り入れてくれると、お母さん嬉しいんだけどなぁ」と言うと、はじめは「フンッ」と言われるかもしれません。

 でも、怒ったり怒鳴ったりしないで、にこやかに話しかけていくと、子どもは、「あ、お母さんが変わった。いつもみたいに怒らなくなった」と思いはじめ、母親のお手伝いをしてくれるようになるでしょう。

 母親を好きになったら、「勉強しなさい」と言わなくても、勉強をするようになります。「お手伝いしてくれるかな?」と言えば「はーい」と答え、「食事をつくるのを手伝ってくれるかな?」と言っても「はーい」と答え、「お皿を洗うのを手伝ってくれるかな?」と言っても「はーい」と答えるようになります。

 10年間、親に怒られ続けた子どもでも、親への気持ちは3ヵ月くらいあれば、変わっていくようです。

 子どもは、わずか3ヵ月で母親を好きになってくれます。そういう意味で子どもは、天使であり、神様なのです。