2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

すべての子どもは「母親を励ますため」に生まれてくるらしい

 40年の間に、22人の「生まれる前の記憶を持った子ども」に会いました。

 その子どもたちが決まって言った「共通項」が、

「上からお母さんを見下ろしていた」

 ということでした。

 子どもたちに「生まれる前の状況」を聞いてみたところ、

「お母さんがさみしそうだから、話し相手になってあげようと思った」
「お母さんが泣いていたので、かわいそうで味方をしてあげようと思った」
「お母さんを元気づけるために生まれた」

 と話してくれました。

 子どものひとりは、「妹」のことを話してくれました。

 後ろを振り向いたら妹がいて、「あの人たちの子どもに私たちは生まれるのよ。私もすぐ行くね」と妹が言ったそうです。

 その後、「妹の姿が見えなくなって、さみしくて泣いちゃった」と教えてくれました。

 妹は「すぐ行くね」と言ったそうですが、妹が人間の世界に生まれてきたのは、2年後だったそうです。

 この22例の子どもたちは、お互いに情報を共有したわけでも、つくり話をしたわけでもありません。

 親同士も、子ども同士も知り合いではありません。それなのに、どの子も、「お母さんを喜ばせたいと思ったら、生まれてきた」と話してくれました。

 どうやら、子どもは、

「母親の味方をしてあげたい」
「母親を励ましたい」
「母親の話し相手になってあげたい」

 と思って、生まれてくるようなのです。

 もしかしたら、すべての子どもたちが、母親を励ますために、母親の話し相手になってあげるために生まれてきているのかもしれません。

 もし、そうだとしたら、母親は、子どもを怒鳴ったり怒ったりできるでしょうか?

母親を励ましに来てくれた子ども」という認識を持って、自分の子どもを見直してみてください。

 子どもは、あたたかい目で、優しい目で、母親を見つめているのではないでしょうか?

 母親がつらいとき、困ったときに、何気ない会話で、励ましてくれたのではないでしょうか?

 子どもは、母親を励ましにきたらしい…。

 そのことがわかってくると、子どもに対して怒る、怒鳴る、ということがなくなると思います。

 母親が偉そうではなく、説教がましくもなく、優しい心を持って子どもと接することから、あたたかい母子関係がはじまるのです。