もし「ハッスル」を意味するハワイ語があるならば、米顧客情報管理(CRM)ソフトウエア大手セールスフォースはそれを見つけたようだ。クラウドソフトウエアの先駆者である同社は1日発表した2022年11月-23年1月期(第4四半期)決算で、予想を上回る売上高と予想をはるかに上回る調整後営業利益を計上し、投資家を驚かせた。新年度の通期業績見通しも同様に、調整後営業利益率は過去最高の27%に達すると予想した。過去5年間の平均は18%だった。アクティビスト(物言う株主)による圧力が業績を改善させるとの期待感から年初来26%上昇していたセールスフォースの株価は、決算発表を受けて16%値上がりした。今回の決算は、新型コロナウイルスの影響で2021年に業績が急伸した後、ここ数四半期は減速に見舞われていた同社にとって注目すべき転機と言える。このところの減速は、ハワイ語で家族を意味する「Ohana(オハナ)」を長く社風としてきたセールスフォースの社内にかなりの波乱を巻き起こした。同社は第4四半期終盤の1月に「家族」の10%を削減する計画を発表した。しかもそれは見直しの始まりに過ぎないと思われた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月28日、社員が利用していたカリフォルニア州北部にある広さ75エーカー(約30万平方メートル)の保養施設と同社が縁を切り、サンフランシスコのまばゆい高層ビルにある本社のバリスタの数まで減らしたと報じた。
セールスフォースに転機、成長続くか
11-1月期は成長回復、見通しも強気
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