2023年度の経済成長率は
5.0%前後に下方修正
3月5日、日曜日、午前9時(北京時間)、北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代)が開幕した。
昨年10月に行われた第20回共産党大会を経て、習近平総書記は3選、「チャイナセブン」とも称される新たな中央政治局常務委員が選出された。これらは党の要職であり、国、政府、軍を含めた各種キーマンが出そろい、習近平第3次政権が本格的に発足、始動するのは、今回の全人代の後である。全人代は毎年行われる政治イベントであるが、5年に1度の党大会直後の全人代は、5年に1度という意味で、とりわけ重要になるのだ。
全人代最大の見どころは、国務院総理が中央政府を代表して発表する「政府活動報告」(日本の内閣総理大臣による施政演説に相当)である。
2022年3.0%増と、目標の5.5%前後に届かなかったGDP実質成長率は、2023年5.0%前後と下方修正された。財政赤字のGDP比を3.0%と、前年より0.2ポイント引き上げて財政出動の拡大を通じた経済成長路線を打ち出した。一方、国防予算は7.2%増と、前年の7.1%増から上方修正。軍事力の増強を重視する習近平政治を象徴していた。
昨年末の「ゼロコロナ」策解除を受けて、今年一年間は、ポストコロナという新段階、新常態下での政権運営と政策実行が注目される。