米国のマニュアル・トランスミッション車の愛好家は、電気自動車(EV)革命を甘んじて受け入れているわけではない。数十年にわたり衰退していたマニュアル車は、ささやかながら確実に復活している。データ分析会社JDパワーによると、2023年に入って新車販売台数に占めるマニュアル車の割合は1.7%となり、22年の1.2%、21年の0.9%から上昇。自動車購入サイト「オートトレーダー」によると、今年これまでの新車マニュアル車のページビュー数は、昨年の同時期に比べ13%増加している。マニュアル車のセダンはもはや必ずしもオートマ(AT)車より燃費が良く、価格が安く、加速に優れているとは限らない、と自動車のプロは言う。マニュアル車にこだわるドライバーは、クラッチ操作によって運転の楽しさを味わうだけでなく、自動化が進む世の中に一矢報いることになると話す。主にシングルギアのEVにシフトする自動車購入者が増えているからなおさらだ。