他者に依存せず、自立して生きるにはどうすればよいでしょうか。熱海の「ホテルニューアカオ」や天王洲「寺田倉庫」の経営改革を手掛け、テレビ東京「ガイアの夜明け」NHK「SWITCHインタビュー達人達」で話題となった「伝説の経営者」中野善壽氏「すべてを捨て、孤独を受け入れることで、“個”として立つことができる」と著書『孤独からはじめよう』『ぜんぶ、すてれば』で語っています。本記事では『ぜんぶ、すてれば』から、人生を颯爽と楽しむシンプルな考え方を紹介します。

「会社に使われてしまう人」が気づけないことPhoto: Adobe Stock

会社はただの箱でしかない。愛社精神なんて持たなくていい。

自分はなんのために働くのか。

答えは一つ。自分のため。

「会社のため」じゃない。

「家族のため」というのも、ちょっとあやしい。

自分が好きで、楽しいから、目の前の仕事をやっている。

会社というのは、人間が仕事を楽しくするための手段であり、ただの“箱”でしかない。

会社は自然界に最初からあったものではなく、人間によってつくられたシステムなのだから、人間が会社に使われるようでは、逆転現象もいいところ

だから、「会社のため」と身を犠牲にして働くのは、ちょっと変だと僕は思う。

愛社精神を強いるのもおかしい。

仕事に対してドライであれ、と言っているわけではなくて、「働く主(あるじ)は、あくまで自分である」と握っておくべきだということ。

仕事に没頭したい時期があれば、どれだけ遅くまで残って働いてもいいと僕は思う。

僕も若い頃は徹夜で会社に残った時もあったけれど、「どうしても今日中にやり遂げたい」「自分がやりたいからやっている」という感覚があったから、まったく苦痛ではありませんでした。

なぜなら、がんばっていたのではなく、夢中だったからです。

人が中心で、会社が道具。この関係性を間違えないようにしたいですね。

(本原稿は、中野善壽著『ぜんぶ、すてれば』から一部抜粋・改変したものです)