他者に依存せず、自立して生きるにはどうすればよいでしょうか。熱海の「ホテルニューアカオ」や天王洲「寺田倉庫」の経営改革を手掛け、テレビ東京「ガイアの夜明け」やNHK「SWITCHインタビュー達人達」で話題となった「伝説の経営者」中野善壽氏。「すべてを捨て、孤独を受け入れることで、“個”として立つことができる」と著書『孤独からはじめよう』と『ぜんぶ、すてれば』で語っています。本記事では『ぜんぶ、すてれば』から、人生を颯爽と楽しむシンプルな考え方を紹介します。
人に頼むなら、信じて任せる
朝からビュンビュン飛んできた僕の指示を、優秀なスタッフたちは見ごとに打ち返してきてくれます。
それはそのはず。
僕は彼ら彼女らの能力の高さをよく知っているから、お願いしているわけです。
僕がやるより百倍仕事が速いのだから、皆の力を頼っているんです。
でもたまに、指示から半日経っても進んでいなくて、苛立つこともあります。
「僕のアイディアを簡単なキーワードにまとめておいて」という程度の簡単なことに、ずいぶん待つことはある。
でも、お願いし、任せたのは自分なのですから、我慢するしかない。仕方がない。
逆に、二時間かかると思っていたものが一時間でできあがって来るとうれしい。
しっかり感謝を伝えます。
できたら褒める。できなかったら我慢する。
こういう姿勢を貫かないと、人に任せることはいつまで経ってもできないと思います。
すると、仕事を一人でたくさん抱えて、本当にやるべきことができなくなる。
ちゃんと成果を出したいのなら、任せ上手にならないといけません。
(本原稿は、中野善壽著『ぜんぶ、すてれば』から一部抜粋・改変したものです)