2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

日々を普通に過ごせることは、じつは「奇跡の連続」である

ありがとう」を3年間で1000万回言い終わって、どんな現象が起きたのかを報告してくださった方がいます。

 この方は、数年前に小学2年生の息子さんを小児ガンで亡くしていたのですが、その息子さんが、生前、不思議な言葉を、200個ほど、遺したそうです。

お父さん、家族はね、分かち合うためにあるんだよ」

 息子が、あまりにも突然に不思議な言葉を口にするので、そのすべての言葉を書き留めていました。

 そして、息子さんの死後、人に勧められて読んだ「小林正観の本」の中に、息子さんが遺した言葉の意味が書かれてあったのだそうです。

 彼は私の宇宙論を信じるようになり、「ありがとう」を言い続けました。

 彼は、

「自分は獣医をしていて、科学的な立場の人間なので、ほかの人に言うと怪しい話になってしまうのですが、正観さんだけにお話しします」

 と前置きしたあと、とても興味深い話を聞かせてくれました。

「たとえば、地元の商店街を車で通り過ぎるとき、繁盛しているお店をふと見ると、店員さんの姿に重なって、人の姿をした何者かが見えることがある。そして、操り人形のように、店員さんを動かしているのが見える」と言うのです。

 さらに、「流行っている店には、じつは『神様(指導霊)』がついているらしく、その人を二人羽織のように背後から動かしている何者かが存在しているのが見える」と言うのです。

「ありがとう」を1000万回言い終えてから、数年後のこと。「ありがとう」の数は「2000万回」を超えていたそうです。

「2000万回を超えたあたりから、突然わかったことがある」と報告してくれました。

「それは、楽しいことも、おもしろいことも起きるわけでもなく、普通に、淡々と日々が過ぎていくことが、『これ以上ないほど、最高な幸せである』ということ」だそうです。

 自分にとって、楽しくておもしろくて、ありがたいことが起きたから「感謝をする」としたら、それは、「感謝の本質」ではありません。

 何も特別なことが起きない。ただ淡々と生きる。穏やかに日々が過ぎていく。「ありがたいこと」がなくても、「ありがとう、ありがとう」と言うことが、「100%感謝」です。

 病気をしない、事故に遭わない、何も起きないで、日々を普通に過ごせることは、じつは「奇跡の連続」だといえるでしょう。

「お金も、時間も、手間暇もかけないと、楽しめない」という感性から、「何もなくても楽しみや幸せを感じられる」ように感性を磨いていくと、自分はいつも楽しい。

「何も起きていなくて、普通に、淡々と日々が過ぎていくこと」は、「何も起きていない」のではありません。「宇宙からの最高のプレゼントが届いている」ということなのです。

「何事もない普通の日常に感謝をすること」ができたら、その人は、何もなくても何も起こらなくても、「ずっと幸せに生きていくこと」ができることでしょう。