150万人以上を雇っている企業なら人を少し減らしてもなんとかやっていけるはずだ。しかしそれでも減らしどころを間違えれば、不安なメッセージを発することになる。アマゾンは20日、新たに9000人を削減すると発表した。1月初めには1万8000人の削減を明らかにしていた。合計の削減数は昨年末時点の従業員数の2%弱となるが、多くの従業員が倉庫やフルフィルメントセンターで働いていることを考えると、事務職ではこの割合がもっと高くなる。しかしウォール街は歓迎ムードではない。20日の取引でアマゾンの株価は1.25%値下がりした。前回の人員削減は音声アシスタントを使った製品などリスクが高い不採算事業が対象だったが、アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は社員向けのメッセージで、今回はクラウド、広告、ゲームストリーミングサービス「ツイッチ」が主な削減対象であることを明らかにした。広告はアマゾンで最も急速に成長している事業の一つで、年間売上高は約380億ドル(約4兆9800億円)に上る。クラウド部門の「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」 は売上高がその2倍あり、今も2ケタ成長を続けている。小売り事業は昨年、約120億ドルの損失を出しており、同社の営業利益は全てAWSが稼ぎ出している。
巨大IT、成長部門にも効率化の波
アマゾンではクラウド部門AWSも人員削減の対象に
有料会員限定
あなたにおすすめ