米国で今月に入り銀行の経営破綻が相次いだことを受け、一部の議員や銀行の間で預金保険制度を拡大すべきとの議論が浮上している。ただ、今のところ共和党の有力議員やバイデン政権幹部は預金保険制度改革への支持を表明していない。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が破綻し、連邦規制当局は影響が金融システム全体に波及することを防ぐため、預金を全額保護する措置に踏み切った。これを受け、金融規制の専門家や一部の議員からは、預金者1人当たり25万ドル(約3300万円)に設定されている預金保険の保護上限を引き上げるか、上限を停止すべきとの意見が挙がっている。こうした制度変更の推進派には中堅銀行の業界団体も含まれており、預金保険の適用範囲拡大によって銀行の顧客は安心し、中小銀行から大手銀行への預金流出も防ぐことができると主張する。