新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日立製作所や東芝などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
5社中4社が増収
東芝が減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は22年8~12月の直近の四半期(5社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ダイキン工業
増収率:30.0%(四半期の売上高9659億円)
・日立製作所
増収率:7.1%(四半期の売上収益2兆6920億円)
・東芝
増収率:マイナス4.2%(四半期の売上高7749億円)
・三菱電機
増収率:17.5%(四半期の売上高1兆2257億円)
・三菱重工業
増収率:8.3%(四半期の売上収益1兆628億円)
産業用装置・システム/業務用機器の主要5社の中で東芝だけが減収だった。また、他の4社は増収だったが、利益面を見ると増益となったのは2社だけだった。それはどこか。
次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに詳しく解説する。