スイスの金融大手クレディ・スイス・グループが発行したAT1債170億ドル(約2兆2340億円)を同国当局が無価値化したことを受け、欧州銀行システムの安全性と強靭(きょうじん)性を保つ上で不可欠なAT1債市場に対する投資家の評価が変わりつつある。クレディ・スイスのAT1債は、同業UBSグループによるクレディ・スイス買収の一環で全損扱いとなった。AT1債はこの10年間、欧州で爆発的な人気を誇っていた。また、問題発生時には銀行を守るバッファーとなり、税金の投入に頼らずに済む方法の一つとみなされていた。AT1債を全損扱いとしたスイス規制当局の判断を巡っては意見が分かれている。市場関係者の間では、契約条項に基づく妥当な判断との声もあれば、その解釈に激しく異議を唱える声もある。
クレディ・スイスのAT1債、全損扱いが物議
規制当局の判断巡り分かれる意見
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