インドネシアは昨年、新型コロナウイルスによる渡航規制の解除を受け、モスクワで開かれた観光見本市で売り込みをかけた。「さあバリに行こう」と。バリ島の経済はコロナで大打撃を受けた。しかし、観光客が戻ってきたとはいえ、全てが計画通りというわけではない。ウクライナとの戦争から距離を置くことを目的とした人を含め、この1年で数万人のロシア人がバリ島に渡航した。バリ島当局や住民によると、中にはビザ(査証)の条件に違反して仕事を始めている人たちもいる。テニスコーチやカメラマン、コメディアンなど職種はさまざまだ。そうした事態は、ビーチやエメラルド色の水田、高台のリゾートで知られる世界屈指の観光地で反発を呼んでいる。憤慨した地元住民らは、ロシア人による違法とみられる行為を糾弾する運動をソーシャルメディアで展開し、当局に取り締まりを迫っている。
バリ島の「小モスクワ」 現地住民から反発
ここ1年で数万人のロシア人観光客が渡航、不法滞在・就労も
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