ドイツ銀行はクレディ・スイスにもシリコンバレー銀行にも似ていない。とはいえ、足元はおぼつかない。ドイツ銀の株価は24日の欧州市場で約9%下落し、欧州の銀行に対する懸念がクレディ・スイス以外にも広がっていることが示された。UBSによって先週末に大幅な安値で救済買収されたクレディ・スイスと同じ理由で、ドイツ銀に関心が集まったのかもしれない。投資家の頭の中にあるのは、次はどの銀行か、ということだ。債務不履行(デフォルト)に対する保証料を示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の市場では、ドイツ銀のCDSが23日、新型コロナウイルスの流行初期以来の水準にまで急上昇した。24日の株式市場でも投資家は似たような反応を見せた。これは循環的な動きと言える。不安になった債権者がドイツ銀の資金調達コストを押し上げ、投資銀行はドイツ銀との取引に対してさらに消極的になる。クレディ・スイスが直面した資金流出の悪循環とは異なるが、ドイツ銀にとって危機的であることに変わりはない。