「40歳で燃え尽きる人」がすぐに思い出した方がいいこととは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「40歳で燃え尽きる人」がすぐに思い出した方がいいこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

40歳で燃え尽きる?

 40歳で「もう頑張れない」と感じる人は少なくありません。
 仕事の責任は増え、一定の成果も出してきた。
 それなのに、どこか空虚で、どこか無理をしている感覚がある。

 そのとき、思い出すべきことがあります。
 それは、「自分の持ち札を理解しているか」という問いです。

「配られたカード」を見よ

ゆるストイック』という本では、その出発点について、次のように述べられています。

まずは、自分がどんなことに興味を持ち、何に快楽や苦痛を感じるのかを知ることが大切です。私たち人間は、生まれながらにしてさまざまな個性を持ち、物事の感じ方が人それぞれ異なります。
他人と交流することで喜びを感じる人もいれば、一人で創造に没頭することで充実感を得る人もいます

人間は、環境の変化に適応し生き延びるために多様性を持って生まれてきます。
しかし、自分がどんな個性を持っているかは、試行錯誤を繰り返さないと見えてきません。
ちょうど、頭の上にトランプのカードを掲げて生きているようなものです
他人に配られたカードはよく見えるけど、自分に配られたカードは自分からは見えません。他人との交わりや社会との関わりの中でようやく、「自分に配られたカードはおそらく◯◯だろう」と、当たりがつけられるようになります

――『ゆるストイック』より

 ここで強調されているのは、「自己理解は自然には手に入らない」という事実です。

 私たちは、自分の個性を最初から把握しているわけではありません。
 他人の強みは見えるのに、自分の強みは見えない
 そのまま社会に出ると、「評価されやすいカード」を自分の持ち札だと錯覚してしまうのです。

 40歳で燃え尽きる人の多くは、この錯覚のまま長年走り続けてきた人です。

「評価されること」がヒント

 では、どうやって自分のカードを見つけるのか。
ゆるストイック』は、派手な才能探しを勧めてはいません。

わかりやすい強み(頭がいい、顔がいい、話がうまい……)が見つからなくても、落ち込む必要はありません。
他人と自分の違いさえわかれば、戦略は立てられます。
自分の個性を知るには試行錯誤を通じて、「自分では特にがんばったつもりはないが、周りからよく褒められること」を見つけることが近道です。
たとえ、それが些細なことであっても、自分にとって苦痛なく続けられることであれば、「独自性」を発揮するきっかけになります。

――『ゆるストイック』より

 重要なのは、「努力して身につけた能力」ではなく、「無理なく続けられる傾向」です。
 がんばった自覚がないのに評価されること
 そこに、消耗しない強みがあります。

「自分の本質」に逆らうな

 さらに本書は、その背景にある脳の仕組みにも触れています。

子どもの頃、何かに興味を持ち、その活動を親や周囲から褒められると、脳は「報酬」を感じる仕組みが働きます
この反応は、次第に「好み」や「個性」として形作られます。
そして、大人になってからの行動や考え方に大きく影響します。幼少期にできたこの「脳のプログラム」を変えるのはとても難しい行為です。それに抗うことは、やめたほうがいいでしょう。
むしろ、自分が無意識にしてしまう習慣をうまく活用して、社会で自分らしい基盤を築くほうが賢い戦略なのです。つまり、自分の「持ち札」を理解することが、人生をうまく進めるための第一歩なのです。

――『ゆるストイック』より

 ここでのメッセージは明確です。
 自分の本質に逆らい続けることこそが、最大の消耗要因だということです。

「ゆるストイック」に生きよう

 40歳で燃え尽きそうになったとき、やるべきことは「もっと頑張る」ことではありません。
 まずは立ち止まり、「自分の持ち札は何か」を問い直すことです

 派手でなくていい。
 他人に勝てなくてもいい。
 苦痛なく続けられることを、戦略の軸にする

 それが、ゆるストイックに生きるための最初の一歩です。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は9.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。