Photo by Takahiko Hara
芸能生活70年。デビュー以来、映画、テレビ、舞台の第一線を走り続けてきた俳優・北大路欣也。「三屋清左衛門残日録」の最新第9作「永遠(とわ)の絆」では、佐藤流司や山谷花純といった若手キャストと共演している。数多の作品で重厚な存在感を放つ北大路は、撮影現場で彼らとどう接し、向き合っているのか。その原点には、デビュー当時に大先輩から授かった、技術以前の「ある教え」があった。(俳優 北大路欣也、取材・構成/小倉健一)
「正解」を押し付けない
若手が持つリズムと感性を楽しむ
――「三屋清左衛門残日録」の最新第9作「永遠の絆」では、佐藤流司演じる結城友助の妻・はなえ役を演じた山谷花純さんが、撮影の際に北大路さんから着物の扱い方やお茶の出し方といった所作を教わったと語っていました。若い世代の人とどのように接していますか。
北大路欣也(以下、北大路) たとえばお茶の出し方や、着物の畳み方一つとっても、演技で先輩方がやっていたことだけではなくて、実際に自分の祖母や母がやっていたことも見てきたので、そういった「引き出し」はたくさん持っています。
そのため、この場面にはこのほうが合うだろうな、と思ったときは伝えています。でも、彼女がやっている所作を見て、「この場面に合っているな」と思えば、何も言いません。
その場に合うほうがいいなと思うだけであって、それが間違っているということではないのです。正しいかどうかではなく、「合うか、合わないか」。基準はそこでいいのだと思います。
役を見て感じたことをぶつけてこられるのに対し、私も同じように感じたことをぶつけます。お互いの人生をぶつけ合い、こういう反応をするのか、と発見をしながら進んでいきます。
私の想像していることとは違う感覚もたくさんありますし、動きやリズムもいい。ということは、このリズムに合わせなきゃいけないのかな、とか。いろいろなことを思いながら、新しい感覚で接します。彼らが何を感じ、どう動くのかを、楽しみにしています。







