おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

「投資がどうしてもコワイ」初心者におすすめの投資法とは?Photo: Adobe Stock

最初にやるなら「100円積立投資」

 投資の基本は、「安く買って高く売る」ことですが、いつが安くていつが高いかなんて、誰にもわかりません。一気に資金投入したとたんに、相場が崩れてしまったなんてことになれば目も当てられません。

 では、具体的に、どんな投資なら失敗しにくいのか。その答えが「ドルコスト平均法」による「積立投資」です。

 リスクを減らしてくれ、ほったらかしでいいので、初心者向きの資産運用方法です。

 ドルコスト平均法とは、金融商品を、毎回同じ額ずつ、定期的に買い続ける手法です。

 この方法で金融商品を購入し続けると、価格が低い時の購入量は多くなり、価格が高い時の購入量は少なくなります。

 たとえば、毎月(毎日でも毎週でもできます)3万円ずつ投資するとしましょう。金融商品の価格が1口1万円の時には3口、1口5000円の時には6口購入します。値が下がった時には、より多くの口数を購入できるので、口数が多くなった分、あとで値が上がった時に利益が大きくなります。

 このように値が下がった時ほど資産を増やすチャンスと思えるのが、この方法のおもしろいところです。

 安値でも高値でも一定額を買い続けることで購入価格が平均化され、その結果リスクを減らし、安定的に運用益を得ようという方法なのです。

分散投資でリスクを減らす

 リスクを減らすもう1つの方法が「分散投資」です。株や債券などの1つの金融商品に偏(かたよ)ることなく、いくつかの商品に分散する投資方法です。

 それを、手軽にできるのが「投資信託」です。投資信託とは、様々な投資商品を組み合わせて作られた金融商品で、プロが組み合わせを考えて分散投資をしています。

 分散投資していれば、ある商品が値下がりしても、別の商品でカバーしていくことが可能となるので、リスクを減らす効果があるといわれています。

 以上を踏まえ、「ドルコスト平均法」と「分散投資」を盛り込み、かつ少額で始められるおすすめの方法が「毎日100円積立投資信託」です。

 ネット証券に口座を作って、「どの投資信託を積み立てるか」と「積立金額をいくらにするか」を決めて設定したら、あとは放っておくだけ。その後は、決めたとおりに毎日積み立てられ、運用してくれます。

 毎日100円くらいなら、万が一損をしても、外でコーヒーを飲んだと思えば、安いものだと思いませんか?

 また、運用状況は、いつでもスマホやパソコンで確認できますので、積み立てた金額と運用益などを見るのが楽しみになると思います。投資の感覚がなんとなくつかめて、楽しくなってきたら、徐々に金額や投資先を広げていくといいでしょう。

 *本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。