著書『おひとりさまの老後』の大ヒットから15年。社会学者の上野千鶴子氏は、後期高齢者の仲間入りを間近にして、「要介護になったら当事者目線でまた書いたるで~」と意気軒高だ。特集『ひとり終活大全』の#2は、上野氏に在宅みとりや終活のために自身が準備していることについて語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部)
『おひとりさまの老後』は非婚女性のために書いた
既婚女性にも支持されたのには驚いた
15年前に出した『おひとりさまの老後』は80万部を突破。『男おひとりさま道』(2009年刊)はやはり男の方には読まれないみたいで少なかったですけれど、4作目の『在宅ひとり死のススメ』(21年刊)は20万部。おかげさまで、シリーズ全体で100万部を超えました。当分死にそうもないので、要介護になったらまた書いたるで~、という気分でいます。
『おひとりさまの老後』は、私の世代で同年齢人口の約3%、みじめといわれた非婚女性のために書いたのに、既婚女性にも支持されたのには驚きました。
もう一つの感慨は、「在宅ひとり死のススメ」というタイトルの本を出せたこと。10年前ならたぶん却下されたでしょう。時代が変わりました。
おひとりさまにとって怖いのは認知症です。ただ、私はそうならないための無駄な努力をするより、そうなったときの対応を考えた方がよいと思っています。認知症になったときに、誰に意思決定を託すか、元気なときに決めておく必要があります。
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