富裕層を顧客とする銀行は、他の銀行とは異なる。かつては、より多くの資金を有していた。銀行業界が前回直面した危機の中心は、サブプライムローン(信用度の低い借り手向けの住宅ローン)の借り手だった。とりわけ信用に問題があり、返済が実際には困難な人々に、銀行はそのリスクを無視して融資を行った。こうした融資を乱発したり、それを証券化したものを大量に抱え込んだりした銀行が、トラブルに巻き込まれた。現在表面化している混乱はこれまでのところ、前回の危機とは対照的な特徴を示している。今回最も大きな問題に直面したのは、シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行のような、最富裕層の最も信用度の高い人々を顧客にしていた銀行だった。これら顧客は、与信階層で最上級のスーパープライム(超優良)に位置づけられていた。
スーパープライム銀行危機へようこそ
金利上昇で銀行の富裕層戦略を巡る問題が表面化
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