多国籍企業は、中国国内で競争するためには、現場を指揮する権限や意思決定者を中国に置くことが効果的だと気づき始めている。各企業は現地の裁量に任せる部分を増やすことで、動きが速く大規模な中国市場で、より迅速に事業を展開し、国内競争に対応しやすくすることを目指す。中国を主な成長の源として生かすためにも、現場の事業運営をある程度任せることが助けになる。さらに地政学的リスクの高まりや、遠隔地での意思決定による弊害(新型コロナウイルス流行下の3年に及ぶ厳しい隔離で顕在化)から企業を守ることもできる。パナソニック・ホールディングスはここ数年、家電製品や空調機器などの分野でこの地域の業績を回復させた。日本人幹部を中国・北東アジア社のトップに据え、同事業の独立性を高めたことが奏功している。
中国で外資が勝ち抜くコツ、現地法人の強い権限
パナソニックやVWは機敏さに活路求める
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