米国のオピオイド(医療用麻薬)危機がホームレス(路上生活者)に深刻な打撃を与えていることが、新たなデータから分かった。特に新型コロナウイルス流行以降、ロサンゼルスやニューヨークなどでは、薬物の過剰摂取で死亡するホームレス(路上生活者)が急増している。最大の要因が合成オピオイド「フェンタニル」だ。医療サービスから往々にして切り離されている路上生活者の間で過剰摂取のリスクが特に高いことを浮き彫りしたと研究者は指摘している。また調査では、コロナ禍でホームレスの死者が全般的に著しく増えたことも明らかになった。米国では、国民全体でも2021年の薬物関連の死者が過去最多の10万7000人近くに上るなど、違法オピオイドによる中毒危機が全米にまん延している。