日本と米国の両政府は28日、クリーンエネルギー技術に使用される鉱物に関する協定を結んだ。日本にとっては米政府が進める電気自動車(EV)の優遇税制措置において、控除を受ける要件を満たすようになるほか、エネルギーのサプライチェーン(供給網)での中国への依存度を軽減する狙いがある。米側の発表によると、両政府は取引する重要鉱物に対し輸出関税を課さないことや、鉱物生産における労働基準を調整することなどで合意した。今回結んだ協定は日米が2019年に締結した限定的な貿易協定に基づくもの。今後2年ごとに協定を見直し、協定の終了もしくは変更の是非について検討する。ジョー・バイデン政権は同盟国との間で重要鉱物に関する貿易協定の締結に向け動き出したが、2つの問題の解決を目指している。問題の1つはEVに対する税額控除制度で控除を受ける条件を設けていること。2つ目は車載用電池の主要原料であるリチウムやグラファイト(黒鉛)などの鉱物資源の供給で中国が独占しているという現状だ。