東京・小学校区「教育環境力」ランキング2022_北区写真はイメージです Photo:PIXTA

子どもにとってよりよい教育環境を目指し、入学前に引っ越して小学校区を選ぶ時代になった。しかし、どこが優れた地域なのかを見極めることは難しい。そこでダイヤモンド編集部では、『東京・小学校区「教育環境力」ランキング2022』を作成。教育環境の良しあしを示す五つの指標を独自に算出し、それに基づいて都内23区・26市別に教育環境力の高さでランキングした。今回は、ランキングの得点を構成する5指標を偏差値化し、レーダーチャート形式で上位の小学校区を紹介したい。各小学校区がどの指標で高得点を取っているのかが一目瞭然だ。今回は北区を取り上げる。

北区の小学校区「教育環境力」
5指標を偏差値化

 1位王子第五小学校区、2位王子第一小学校区、3位西が丘小学校区――。

 よりよい教育環境を目指して、教育熱心な親が公立の小学校区を決めてから引っ越しをする現象が起きている。「公立小移民」とも呼ばれるこの現象は、不動産業者が有力校区を売り文句にすることもあって、東京において過熱気味である。引っ越しをすれば小学校を選べるだけでなく、公立のために教育費を抑えられるとあって、子どもの受験を見越した親が教育環境に恵まれた小学校区に移住しているのだ。

 とはいえ、都内の小学校だけで1000校以上もある一方で、個別の学力データは開示されていない。そのため、教育熱心な親ほどどの学校がよいのかと頭を抱えていることだろう。

 そこでダイヤモンド・アナリティクスチームは、小学校の通学区域(町丁ベース)を基に、オープンデータを用いて周辺地域のデータを収集。詳細は記事末に譲るが、以下の5指標を基に各小学校区の「教育環境力」を得点化した。

(1)推計年収
(2)地価=住宅地価の平均価格(万円/m2)
(3)安全性=犯罪発生件数(件/千人)
(4)人気度=児童数(人)
(5)学校教育

 その結果を『【北区ベスト10】小学校区「教育環境力」ランキング!2022年最新版』でお伝えし、5指標の実数に加えて、教育環境を知る上での参考データも多数掲載した。

 一方で今回は、扱うデータは上記の記事と同じものだが、掲載するデータを5指標に絞り込んだ上でそれぞれを偏差値化し、レーダーチャート形式でお届けしたい。

 これによって、都内に1000以上ある小学校区の中で、その小学校区の各指標の相対的な位置付けが一目瞭然だ。偏差値化しているので、平均の「50」より高いかどうかが目安となる。また、「教育環境力」ランキングの上位小学校区でも、5指標の得点をバランスよく取っているのか、1指標でずば抜けた得点を獲得しているのか、といったこともよく分かる。

偏差値チャートの見方と解説

 次ページでは、小学校区「教育環境力」ランキングの総合得点が高い学校から順番に、下記の凡例のような偏差値レーダーチャートを掲載する。

 対象の小学校区は次の通り。この中からランキング上位20小学校区のデータをご紹介する。ただし、2022年度年度の校名データを基準としている。

ランキング対象区:としま若葉小学校区、なでしこ小学校区、八幡小学校区、堀船小学校区、岩淵小学校区、東十条小学校区、柳田小学校区、桐ヶ丘郷小学校区、梅木小学校区、浮間小学校区、滝野川小学校区、滝野川第三小学校区、滝野川第二小学校区、滝野川第五小学校区、滝野川第四小学校区、王子小学校区、王子第一小学校区、王子第三小学校区、王子第二小学校区、王子第五小学校区、神谷小学校区、稲田小学校区、第四岩淵小学校区、袋小学校区、西ヶ原小学校区、西浮間小学校区、谷端小学校区、豊川小学校区、赤羽台西小学校区、赤羽小学校区、田端小学校区、西が丘小学校区、滝野川もみじ小学校区、十条小学校区

なお、次の小学校区は新設・移転、データ欠損などによりランキング対象から除外している。
ランキング対象外区:十条小学校区

 それでは次ページから上位校区の詳細を見ていこう。なお、一部の小学校区では、偏差値が外れ値となっている影響でレーダーチャートが外側に大きく飛び出していたり、内側に大きくへこんでいたりするものがある。見ばえは悪いが、対象とした全小学校区を同じ数値幅のレーダーチャートで表示し、五角形の大小で感覚的に偏差値の相対的な高低が分かることを優先した。ご了承いただきたい。