中国の中小都市、マンション空室処分に苦心Photo:VCG/gettyimages

【香港】中国の不動産市場は2年にわたる低迷を経て、落ち着きを取り戻したように見える。しかし多数のマンションが売れ残り、供給過剰状態となっていることが、引き続き市場回復の足かせとなっている。

 中国の金融情報サービス大手、万得信息技術(ウインド)によると、中国で2月までに完成し、売れ残った新築マンションの面積は35億平方フィート(約3億2500万平方メートル)に上った。これは約400万世帯分に相当するとの推計もある。これはまた、中国では2017年以来最悪の供給過剰状態だ。2017年当時は、老朽化した建物を解体して新築住宅の需要を増やすことを狙った「スラム・クリアランス」計画が実施されていた。

 不動産業界調査会社の中国房産信息集団(CRIC)によると、2022年に完成した新築マンション全体の約3分の1が売れ残り、その割合は2015年以来最高だった。