不動産市場の悪化で
高まる中国経済の減速懸念
2022年4~6月期の中国の実質GDP成長率は、コロナ感染急拡大に伴う上海市を中心としたロックダウン(都市封鎖)の実施により、前年比+0.4%と前期(+4.8%)から失速した。もっとも、6月単月の経済指標は、上海市のロックダウン解除や、インフラ投資テコ入れなどの政府の景気対策を背景に、持ち直しを示していた。
しかし足元で、再び中国経済の減速懸念が高まっている。7月の主要指標は、輸出が好調だったものの、生産・消費・投資がいずれも6月から減速した。甘粛省など一部地域での散発的なコロナ感染拡大による経済活動停滞に加え、不動産市場の悪化が影響したとみられる。
今回の不動産市場悪化の背景には、6月末以降、中国各地で広がった、建設中住宅の購入者による住宅ローン返済拒否の動きがある。