米電気自動車(EV)大手テスラの株価はうんざりするほど高い水準に戻っている。
テスラの2023年1-3月期の世界生産台数データに、投資家が典型的に抱く見方に目立った変化をもたらすような要素はなかった。テスラは2日、同期の生産台数は44万1000台弱、納車台数は約42万3000台だったと発表。納車台数は2022年10-12月期を4%上回り、前年同期比では36%増加した。
強気派は、これをテスラの成長路線を一歩進めるものだとみなすだろう。新型コロナウイルスによる中国の都市封鎖(ロックダウン)で打撃を受け、苦戦を強いられた2022年4-6月期から一転、3四半期連続で販売が拡大する堅調なデータだと言えるからだ。金利上昇の影響(自動車需要を圧迫する早期の兆候がいくつかみられる)や中国でのし烈な競争(EV補助金が縮小し、比亜迪などの競合他社がテスラの市場シェアを奪っている)が背景にあることを考えると、はるかに悪い結果が出てもおかしくなかった。