リチウムの価格が2年ぶりに下落している。昨年のバッテリーコスト上昇で痛みを味わった消費者や自動車メーカーには追い風となる可能性がある。調査会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスによると、バッテリーの主要原料であるリチウムの価格は2年にわたり高騰し、12倍に跳ね上がっていたが、今年に入って30%余り下落している。流れが反転したことで、価格はより持続可能な水準に戻るとトレーダーはみている。リチウム価格下落の背景には、主に中国における電気自動車(EV)需要鈍化と、市場が不安定でトレーダーが慎重になっていることがある。コバルトやニッケルなど、バッテリーに使われる他の金属も値下がりしている。米化学品メーカーのアルベマールのリチウム部門社長エリック・ノリス氏は、「この先2~3カ月は不安定だろう」と話す。今のところ価格はまだ高水準で、同社をはじめ業界各社は新規プロジェクトに意欲を示している。サウスカロライナ州にリチウム処理施設を建設する13億ドル(約1730億円)規模の計画もその一つだ。
リチウム価格下落、バッテリーとEVに波及するか
EV電池の主原料のリチウムが年初来30%安に
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