米国は中国に対して、強力な反トラスト法(独占禁止法)を整備するよう促してきた。ところが、中国はここにきて米企業が絡む合併・買収(M&A)の成立に必要な反トラスト当局の承認を渋っている。背景にあるのは、激化する米中のハイテク覇権争いだ。手続きの内情に詳しい関係筋によると、中国は足元、米企業による複数の買収計画に関する審査を遅らせている。これには米半導体大手インテルによる52億ドル(約6400億円)規模のイスラエル同業タワー・セミコンダクター買収や米半導体マックスリニアによる38億ドル規模での台湾同業シリコン・モーション・テクノロジー買収が含まれる。関係筋によると、中国の反トラスト当局、国家市場監督管理総局(SAMR)は一部の審査対象企業に対して、承認の条件として他国で販売している製品を中国でも販売するよう求めている。米国が強化している対中輸出規制に対抗する狙いがあるという。
中国の最新兵器:米企業の買収承認を遅延
中国企業に有利な条件をのむまで審査を遅らせる当局
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