過去10年間の中小企業の賃金上昇率

人手不足を背景とした中小企業の賃金上昇、一段の賃上げ余力は限界に過去10年間の中小企業の賃金上昇率 *厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を基に日本総研算出

 大企業を中心に賃上げ機運が高まっている。連合の2023年春季労使交渉の第2次集計によると、賃上げ率の平均は3.76%と、30年ぶりの高い伸びとなった。今後は、この動きが中小企業にも広がるかどうかが焦点になる。

 企業規模別の賃金動向を見ると、近年の賃金上昇は中小企業が主導してきた。22年の賃金構造基本統計調査によると、企業規模10~99人の一般労働者の所定内給与は28.5万円と、10年前と比べ10.2%増加した。これは、企業規模1000人以上の増加率(1.0%)を大きく上回っている。