日本の賃金停滞は
30年間続いている
今春闘で大幅な賃上げを実現できるかどうかが、今後の日本経済にとって重要な意味を持つと言われる。
では、大幅な賃上げは可能か?
そして、それを今年だけのものにせず、長期的な賃金上昇につなげていくことができるか?
法人企業統計調査によると、製造業や卸売り小売業、サービス業の賃金(従業員一人当たりの給与・賞与)は、1990年代の中頃までは、どの産業も傾向的に上昇していた。
ところが、そこで頭打ちになり、それ以降は上昇しなくなった(図表1)。
製造業では、2008年頃以降、緩やかな上昇に転じている。しかし卸売・小売業ではほとんど横ばいであり、サービス業では2000年以降、低下気味だ。
賃金停滞問題は、ここ数年間の現象ではなく、30年近くにわたって続いている問題なのだ。そして、一部の産業の問題ではなく、図表1に示した以外の他の産業でも、程度の差こそあれ同様の傾向が見られる。
したがって、この状態を覆すのは極めて難しい。