新たな研究によると、少なくともS&P500種指数の場合は、指数採用銘柄が小幅に上昇するという現象がこの10年間に平均して「消失」したことが分かった。米ハーバード大学経営大学院のロビン・グリーンウッド教授(金融・銀行論)は、S&P500種指数に連動しているマネーの量は過去10年で増えたものの、よく知られる「インデックス効果(指数効果)」が消失したと述べた。グリーンウッド氏は、同大学院のマルコ・サモン助教(経営学)と共同で、研究報告「インデックス効果の消失」を執筆した。朗報は、インデックス効果の消失が金融市場の効率性向上を意味していることだと、グリーンウッド氏らは言う。「これは投資家にとって非常に良いニュースだ。というのも、インデックスに流入する資金が増えると、その構成銘柄を保有する特権を得るために、より多くの支払いが必要になるのではと心配するかもしれないが、われわれの研究では、市場のインデックス取引への適応能力が格段に上がり、投資家が余計な支払いをせずに済んでいることが示されている」とグリーンウッド氏は述べた。