これまでほとんど知られていなかったイスラエルの企業が販売するハッキングツールが米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の乗っ取りに使われている。世界中でジャーナリストや政治的な敵対者などが標的になっているという。サイバーセキュリティーの研究者らが11日、報告書で指摘した。カナダ・トロント大学の研究グループ「シチズンラボ」と米マイクロソフトが報告書を発表した。ハッキングの背後に存在するのは、「Reign」と呼ばれるスパイウエアを販売する「QuaDream(クアドリーム)」という企業だという。米当局やIT(情報技術)企業の間では、スパイウエア企業が販売するハッキングツールの悪用に対する懸念が高まっている。別のイスラエル企業、NSOグループへの警戒は特に強く、同社のソフトウエアは米政府高官に加え、世界中でジャーナリストや活動家、政治家を攻撃するために使われているとの指摘がある。