ハンガリーのオルバン・ビクトル首相は米国を、自身が率いる右派「フィデス・ハンガリー市民連盟」にとって三大敵の一つと名指しした。中央情報局(CIA)から流出したとされる評価書で明らかになった。ロシアや中国との関係重視の姿勢を強める北大西洋条約機構(NATO)加盟国ハンガリーと米国との間の長年の溝の深さが浮き彫りになった。この評価書は大量流出した文書の一部。ウクライナでの戦争に関する詳細が記されており、米国がロシアの軍事情報をどの程度把握しているか、米政府が同盟国の通信を傍受していたことなど分かる。3月2日付のCIAの機密文書では、オルバン氏が2月22日の政治戦略会議で米国を最重要敵国としたことについて、「反米発言のレベルがエスカレートした」と指摘。情報源として米国大使館を挙げており、米国が与党の会合を監視している可能性が浮上している。