本を音声朗読で楽しむオーディオブックのナレーションを数多く務めた俳優のエドワード・ハーマン氏が死去してから10年近くが経つ。しかし、同氏の声は最近出版されたオーディオブックにも使用されている。それは、ロンドンを拠点とする人工知能(AI)スタートアップ企業ディープゼン(DeepZen)が、遺族の許可を得た上で過去に録音されたハーマン氏の声を利用して生成したものだ。同社によると、過去の録音データを基に、同氏本人がそうした新刊書のナレーションを担当した場合に使用したと想定される、あらゆる音やイントネーションを生成することができる。「彼の遺産を継承していく素晴らしい方法だと思った」。ロサンゼルスの飲食店経営者でハーマン氏の息子のローリー・ハーマン氏はこう話す。父親の合成音声を使用したオーディオブックを初めて聴いたときは驚いたという。