ウォール街における人工知能(AI)革命はいずこに?建築から娯楽まで、ほぼあらゆる産業が目下、生成AIの試験運用を急いでいる。まるで人間のように自然な文章や画像を作成し、芸術作品を生み出すこの新たな技術から、利益を得ようと躍起だ。ウォール街はかねて売買注文やリスク管理で自動化アルゴリズムを活用してきた。ところが、投資家は「市場に勝つ」という最大の命題において、AI導入でも大きな進展を得られていない。対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」が売上高や研究の追い風になるとの見方がある一方で、AIを活用した投資ではこれまで、目立った成果を上げられないままだ。「投資へのAI応用における前進は限られているが、言語モデルのイノベーション(技術革新)が今後、変化をもたらす可能性はある」。コロンビア大学の基金(130億ドル=約1兆7300億円)の運用を担当するコロンビア・インベストメント・マネジメントのマネジングディレクター、ジョナサン・ラーキン氏はこう述べる。
AIが勝てない相手とは?
クオンツは過去数十年、「市場に勝つ」という最大の命題で成果を出せていない
有料会員限定
あなたにおすすめ