会計監査大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の幹部らは数カ月前から、会社分割はほぼ必然的だと考えていた。あとは細部の調整を行い、数十カ国のパートナーによる投票を残すのみだった。だが幹部は、同社最大の拠点で勃発しつつある反乱を見逃していた。同社の退職者グループに後押しされた米国の一握りのパートナーが分割計画を頓挫させたのだ。同社は11日、39万人規模の会社を監査部門とコンサルティング部門に分割する計画を断念した。幹部らは12日の全社的な電話会議で、主に米国部門を指弾し、今回の動きが会社の弱体化や競合による人材引き抜きにつながったとの懸念を表明した。12日に幹部らが社内ウェブキャストで語ったところによると、同社は分割案に6億ドルと1年余りの歳月を費やした。これには、3億ドルに上る一流投資銀行・法律事務所への支払いとその他の外部費用に加え、社内費用やパートナーの時間にかかった3億ドルが含まれる。
会計大手EY、分割計画に誤算と強い反対
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