米国のインフレは終わったのだろうか。3月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月比でわずか0.1%にとどまったとの政府発表を受けて、市場関係者らは12日朝方、安堵(あんど)のため息をついた。ホワイトハウスも同調し、「インフレ率は昨年夏のピークから45%低下した」という、アイルランドを訪問中のジョー・バイデン大統領の自画自賛の声明を発表した。  都合のいい比較対象期間を選びさえすれば、統計数値を使ってどんな主張も正しく見せられるということを、われわれの読者は理解している。そもそも2021年秋からインフレ率が急上昇したのはなぜなのか。ホワイトハウスはその点には触れたくないようだ。