米国とその同盟国は、中国との経済関係をいかに縮小させるかに腐心している。世界2位の経済大国との全体的な貿易や投資の流れは維持しつつ、戦略的と思われる特定分野で結びつきを制限することを目指しているためだ。ロシアによるウクライナ侵攻は、もう一つの地政学的ライバルであり、ロシアの緊密なパートナーでもある中国に向き合う戦略について西側主要国の考えを一変させた。ロシアは侵攻後、欧州向け天然ガス輸出を削減し、世界のエネルギー市場を不安定にさせた。先進7カ国(G7)は、製品・原材料の供給で圧倒的な力を持つ中国が、紛争や新たな感染症流行が起きた場合、同じように主要な輸出品を遮断する可能性があることに懸念を強めている、と西側の経済当局者は話す。一方で、西側の投資や専門知識が(もし制限しなければ)中国の軍事力発展を助けることになりかねないことも懸念している。